第5章 最低で最悪なアイツ
「さてと。ここからが本番だよ?
間違った問題を徹底的にやり直すからね。
数学はケアレスミスが多いかな…。ほら、ココ見て」
「……あ。」
「ココも」
「…ホントだ」
「公式は頭に入ってるみたいだから、とにかく一問一問丁寧に取り組んで。
且つ、スピーディーにね?」
「…ハイ、」
問題のやり直しをしながら気付いた事がある
コノ人、勉強の教え方がめちゃくちゃ上手い。
的確でわかり易いし自分で答えを導き出せる様に自然と誘導されてる…気がする。
「凄いよカズくん。パーフェクトだね」
「…どーも。」
「じゃあ次は…
あ、ちょっとゴメン」
ポケットからスマホを取り出して何やら操作し始めた
「さっきからスマホのバイブが止まんないと思ったら、おーちゃんからだ」
「さ…兄貴から?」
「うん。ほら」
見せられた画面には良くわからないキャラクターがドアからひょっこり顔を覗かせてるスタンプが3つと、
《カズくんが全然既読にならないよー( ;∀;)》
《相葉ちゃん?》
《もしもーし!聞こえてますかー!》
《まさか、お楽しみ中⁉》
「…なんだよ、お楽しみ中って」
自分のスマホを確認してみると智さんの悲痛な心の叫びがズラリ。
「よっぽどカズくんの事が心配なんだね。
面白そうだからちょっとからかっちゃう?」
目を細めてニヤリと笑うコノ人は…
やっぱり、悪魔だ。