第5章 最低で最悪なアイツ
無性に智さんに会いたくなった
そろそろ学校が終わる頃だろうか
早く帰って来ないかな…
こんな風に誰かを恋しいと感じるなんてどうかしてると思う
恋しい、という表現が合っているのかどうかは解らないけど
昼飯をキレイに平らげてから放置していたスマートフォンを手に取ると
ランプが青く点滅しているのに気付いて慌てて緑のアイコンをタップした
《イイ子にしてる?
お昼ご飯ちゃんと食べた?》
してるよ
忠犬ハチ公みたいに智さんの帰りをじっと待ってんだぞ
昼飯だって全部食べた
憧れだったタコさんウインナー、美味かったよ
たださ、一ついいかな?
おにぎりがデカ過ぎるよ
アナタのその繊細な手で、どうやったらあんなデカイおにぎりが握れるんだよ
《それと、今日友達一人連れてくね?
カズくんに会ってみたいって煩くて。
いいかな?》
そんなの俺に聞くことじゃないだろ?
俺の方が居候の身なんだからさ
長い文書を打つのは大変だから
《了解》
とだけ返した
…ふーん
友達、か…
友達ねぇ…