第9章 貴方だけは消えないで
「...俺は別に何とも思わないけど、兄貴が心配する様な事だけは極力避けて欲しい、って事だけ覚えといてください」
「...うん。ホントごめん、」
「分かってくれたんならいいです」
じゃあ、って踵を翻すカズくんの腕を咄嗟に掴んだ
「...っ、待って...!」
「まだ何か?」
「約束...!
495点以上取れたら何でも一つ言う事聞くって約束、アレまだ有効かな、」
「あー、アレ。でも俺点数知らないし、」
「495点、」
「...え?」
「カズくん495点だったんだよ」
「マジで...?」
「うん、マジで。だから…」
約束は約束だからと、カズくんは何でも一つ俺の言う事を聞くと言ってくれた
「で、相葉さんの要望は?」
カズくんと恋愛がしたいだとか
俺の恋人になって下さいだとか
もっと上手い言い方が他にあったのかもしれない
「消え、ないで...」
「はっ...?」
「カズくんだけは...俺の前から、消えないで...」