第8章 兄として、物申す!
触れて欲しくない事なのかも知れない。
これ以上僕からは何も聞かない方がいいな...
「っ、そうだ!
今日ウチに遊びに来ない?ホラ、改めてお礼したいし!」
「お礼?」
「カズくんの勉強見てくれたお礼!
手応えバッチリだったらしいよ!相葉ちゃんのお陰で合格間違いなし!」
「......そっか、」
「...相葉ちゃん......?」
「...なら良かった。でもお礼は遠慮しとくよ。
それに親友の弟に勉強教えるくらい当然と言ったら当然だろ?」
「でも...」
「ありがと、おーちゃん。
気持ちだけ受け取っておくね。和也くんにも宜しく伝えて。
...生徒会室行ってくるね」
「ちょっ... 相葉ちゃん!」
徐に去っていく背中からは今まで感じたことの無いような、なんとも言えない違和感を感じて
いつもなら『 行く、行く!』ってノリノリで着いてくるのに
...それに。
なんで『カズくん 』じゃなくて『 和也くん』なんだよ
恋人同士になったんじゃないの?
親友の弟、なんてそんな言い方ないよ
カズくんの事にも触れて欲しくないの...?
ねぇ、相葉ちゃん...この五日間で相葉ちゃんに何が起こったの...?