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*恋人はインキュバス*【R18】

第2章 夢か現か





「んっ…」

ニヤリと彼が笑った瞬間、突然体が痺れ始めた。
そして広がる花のような甘い香り…徐々に体が熱くなってくる。

(な、何…?)


「安心しろ…処女でもちゃんと感じるようにしてやる」

「っ…」

どうして彼がそんな事を知っているのだろう…
確かに私は処女だ。
この18年間異性と付き合った経験など無く、Hどころかキスだってした事が無い。


「お前の精気は処女特有のモノだからな…。まぁそれも、今から俺が奪う訳だが」

「…!」

それを聞いて更に恐怖が増した。
私は今から、目の前のこの男に抱かれる…
それも人間ではなく、得体の知れない存在に…


「…キスも初めてか?」

「……、」

怯えながらこくりと頷けば、嬉しそうに笑う彼。
私の頬に手を添え、目を細める。


「…お前の初めては全部俺が奪ってやる」

「んっ…、」

その言葉通り唇を奪われた。
乱暴にされるかと思ったが、そのキスは甘く優しいもので…


「っ…」

自分のアソコからとろりと蜜が溢れるのを感じる。
ただ唇が触れ合っただけなのにどうして…


「ふ…蕩けきった顔してんな」

「……、」

一度唇を離した彼がそう笑った。
そして濡れた唇を親指でなぞってくる。


「…俺の匂いにヤられたか」

「…え……?」

さっきから漂っている甘い香りは、どうやら彼から放たれているものらしい。
この香りのせいで頭がぼーっとし、体も上手く動かせない。
それに…


「人間で言うところのフェロモンみたいなモンだ…媚薬入りの」

「っ…」

だからこんなに体が疼くの…?
怖くて仕方がないはずなのに、体はこの先の行為を期待してしまっている。


「口を開けろ…もっと良くしてやるから」

「……、」

私はまるで催眠術にでも掛かったかのように彼の言う事を聞いた。
再び重ねられた唇の隙間から、彼の熱い舌が入り込んでくる。
その瞬間、また下腹部がずくんと疼いた。
上顎を舐められ、歯列をなぞられ、舌を絡め取られる。
…キスがこんなに気持ちの良いものだなんて知らなかった。


「はぁっ…、」

互いの唇が離れると、2人を繋いでいた唾液の糸が名残り惜しそうにぷつりと切れる。
私はもうすでに何も考えられなくなっていた。



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