第1章 Trip
「……んっ、うぅん」
…?うちの洗剤ってこんな匂いだったっけ…?
うっすらと目を開けて体を起こそうとすると…
「おはよう、お嬢さん♪」
まだ視界がぼやけてハッキリ見えないが目の前に男がいる。息がかかる程ではないが結構近い距離にいる。
「目覚めの気分はどうだい?」
と私の左頬をスッと撫でた。頬から全身にかけて一気に鳥肌が立つ。目が慣れてきたようで、今確認できるのはこの男が裸(恐らく全裸)だということだ。
「いや"あ"ぁあ"あ"あ"っ!!!!」
「ぐぉふっ…!」
無意識に男の鳩尾へ拳をめり込ませ毛布を剥ぎ、部屋から出ようと全速力でドアに向かった。