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黒子のバスケ*Short Stories3

第15章 愛しい黒猫に翻弄される*花宮*


陽射しがぽかぽかと暖かい昼下がり。

彼のお部屋にお邪魔して、久々のお休みをのんびり過ごしていた。

「真、私暇なんだけど。」

「俺は暇じゃねぇんだよ。」

意を決して言った思いも一蹴されて、また私は雑誌と携帯とにらめっこする羽目になった。

そう、折角部屋に遊びに来ているというのに、真はかれこれ30分ほどパソコンのキーボードを忙しなく叩いている。

画面を覗いてみた限り、きっと試合の解析とか戦略を立てたりとかしているんだと思う。

とりあえず紅茶と私が好きなお菓子を出してくれたのは合格点だけど、それからずっと放置されていてさすがに寂しい。

「まーこーとー。」

構ってほしくて名前を呼んでみたけれど、私の方も見ずに「うるせぇ」と一喝された。

私としては久しぶりに二人きりだし、もっと恋人らしいこともしたいと思うんだけど。

どうしても真の中で優先順位をつける時に、後回しにされてしまう。

この空気にさすがに堪えかねて、とりあえず必要なものを鞄に入れて立ち上がった。

「真、私ちょっと出掛けてくるから終わったら連絡して。」

ここで放っておかれて寂しいなら、まだ外に出て時間を潰していた方がいい。

「おい。」

ドアノブに手をかけた時、後ろからの真の声に足を止められた。

「…何?」

帰りに何か買ってこいとか、かな?

「ここにいろ。」
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