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黒子のバスケ*Short Stories3

第13章 スターライトパレード*赤司*


あれからも少しペースは落ちたが、様々なアトラクションに乗り、気が付けば日もすっかり暮れていた。

人の波の中で通路が見えるところを確保し、時間が来るのを待っていた。

「、寒くないか?」

「大丈夫だよ。ありがとう。」

すると、華やかな音楽が流れ豪華なフロートが順々に顔を出した。

きらきらと輝くフロートに可愛らしく踊るキャラクター達に魅了され、すっかり言葉を失ってしまった。

「綺麗だね…。」

「ああ…。」

光が映り込んでいるの瞳は一瞬伏し目がちになり、少し寂しげな表情を見せた。

「どうした?」

「…今日が終わっちゃうの寂しいな、って思って。」

星空の下で光輝くパレードは一日を締め括る。

今日一日を良い思い出にするためのプレゼントのようだ。

「また来ればいい。遊園地をこんなに楽しめたのは今日が初めてだったよ。…ありがとう。」

「そんな!征くん振り回して具合悪くさせちゃったし…次はもう少し落ち着きます…。」

「わかっていないな。僕はになら振り回されても構わないよ。お前は僕に今まで知らなかった世界を見せてくれているんだから。」

「私も征くんに恋してから毎日が楽しくなったよ。…ありがとう。」

そう伝えると、は柔らかく微笑みそっと僕にもたれかかった。

僕もの頭に自分の頭をもたせかけ、髪に唇を寄せた。

僕の方こそを好きになってから、日常に光が射した。

一緒にいて何気ない時間を過ごしているだけなのに、きらきらと輝いて特別に感じた。

今まで知らなかった世界が広がり、より景色が鮮やかに見えた。

まるで、今目の前に広がるパレードのように。

僕を魅了してやまない、ただ一人の女性だ。
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