第12章 同じ目線で*黒子*
同じ部活に彼氏が出来ました。
空色の髪と瞳がきれいで、線が細くて淡雪みたいな男の子。
でも見た目によらず負けず嫌いな熱い心を持っていて、バスケが本当に大好きで。
とても優しくて、でも絶対に嘘はつかない誠実な人。
ただ、この恋に足枷になっているものがあります。
バスケをしている割には小柄な彼。
小柄な方が可愛い女子の割には大柄な私。
今日も休憩中隣に並んだら、火神くんが私たちを見て面白そうに言った。
「黒子とって身長変わんねぇんじゃないの?」
「そうですか?あまり意識したことありませんでしたけど…。」
話の流れに乗っかって、勇気を出して聞いてみた。
「テツくん、身長何cmなの?」
「168cmです。はいくつなんですか?」
その数字を聞いて、内心複雑な感情が渦巻いた。
「私も168…。」
だって、同じだったんだから。