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黒子のバスケ*Short Stories3

第11章 チョコレートが好きなわけじゃなく*霧崎第一


部活のお昼休み、お昼ご飯を食べ終わってコンビニの袋から取り出したのは2粒のチョコレート。

一口サイズでお手頃価格のこのチョコレートは新しいものが出るたびに新味を試すのだ。

「はよくチョコ食べてるよね。」

隣で包み紙を散らかした原がガムを噛む合間に、口を開いた。

「原だっていつもガム食べてるでしょ?お互い様。」

「まぁねー。そういえば、もうすぐバレンタインじゃん。誰かにあげんの?」

不意にふられたバレンタインという話題。

彼氏がいない私にとっては、ときめく恋のイベントというよりも友達からのプレゼントとお父さんからのお裾分けでチョコが食べられて嬉しい日という認識だった。

「え?全然考えてなかった…。お父さんと友達に作るくらいかな。」

「へー。じゃあ俺にも頂戴よ。チョコ味のガムとかでもいいし。」

そんなのあるの?とクスクス笑っていると、ご飯を食べてすぐアイマスクをして上を向いて寝ていた瀬戸がゆっくりと頭を起こした。

「俺もからのチョコ欲しいよ。」

「あれ?瀬戸起きてたの?…しかも意外とストレートだね。」

「別に?やっぱバレンタインにチョコ貰えると嬉しいだろ。」

「糖分は頭の回転を良くしてくれるからな。俺も貰えるなら有難い。」

食後に本を読んでいた古橋も、ぱたんと本を閉じておねだりしてきた。

「古橋甘いもの苦手そうなのに…。」

「食べ過ぎなければいい。」

何だかんだ皆もチョコ好きなんだな。

…あれ?そういえばあの人は?

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