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黒子のバスケ*Short Stories3

第10章 密かな文通*実渕*


退屈な授業に少しうんざりしながら窓の外を眺めていた。

グラウンドで楽しそうに走っていたのは顔馴染みの部活仲間。

あ、コタくんのクラス体育なんだ。

すると、後ろからメモが飛んできて机の上にちょこんと乗った。

疑問に思い、4つ折りにされたメモを開くと所謂美文字と言える綺麗な文字が並んでいた。

「外に何か素敵なものでもあったのかしら?」

差出人が書いてなくても相手くらいすぐわかる。

真後ろで私の様子が見えているであろう玲央だ。

ぼんやりしてたの見られていたのは恥ずかしいけれど、少し大きめのその紙にそのまま続けるように返事を書いた。

「素敵なコタくんが走ってた笑。授業早く終わらないかなぁ。今日部活休みだね!お茶して帰らない?」

メモを折って、先生が黒板の方を向くのを見計らって後ろを向くと、玲央がふっと口角を上げて笑っていた。

素早く机に返事を置いて、また真面目に授業を受けるふりをした。

メールをすれば早いのかもしれないけれど、滅多にできない文字でのやり取りに心が弾んだ。

しかも授業中に少し悪いことをしているようなスリルがまたドキドキさせた。

久しぶりに放課後デートしたいな。

…何て書いてくれるかな。
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