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黒子のバスケ*Short Stories3

第7章 新しい時間*伊月*


携帯に送られてきた地図を見ながら辿り着いたのは見慣れないマンション。

マンションの名前が一致しているから、ここで間違いない。

表札には名前が書いてないから、部屋の番号を確認してインターホンを押した。

すると、機械を通して少し違ったような、でも紛れもなく彼の声が聞こえてきた。

「はい。」

「…です。」

「見えてるからわかってるよ。今開けるから待ってて。」

ガチャリと切断された音の後、足音がどんどん近付いてきた。

ドアが開くと、黒のVネックのニットにジーンズというカジュアルな装いの彼が現れた。

見知らぬところにいる居心地の悪さが、彼の姿を見ただけで吹き飛んで一気に安心した。

「俊くんだぁ…。間違ってたらどうしようかと思った。」

「俺の声聞こえたでしょ?まぁ気持ちはわかるけど。じゃ、どうぞ。」

「…お邪魔します。」

彼に導かれるまま私は初めて彼の部屋へと足を踏み入れた。

二人きりの時間が始まる。
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