第5章 1月12日*花宮*
が帰り道に一つ尋ねてきた。
「真、今欲しいものある?」
ほら来た。
そろそろかとは思ってたけどな。
「お前自分で考えるとかねぇの?」
「だって下手なものあげると、文句言われそうだから。」
「そりゃ賢明だな。」
が眉間にしわを寄せて頭を抱える姿が面白くて、結局何も言わなかった。
別にから貰えるものなら何でもいい。
俺のものであるなら、いっそそれだけでいいくらいだ。
こんな風に甘く考えるなんて以前なら下らないと思っていた。
が自分の誕生日のことを考えて悩んでいることを微笑ましく思ってしまう。
俺をここまで骨抜きにするなんて、お前だけには敵わねぇな。