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黒子のバスケ*Short Stories3

第44章 穏やかな昼下がり*黒子*


久しぶりの部活のオフだから、とバスケ部が忙しい彼がデートに誘ってくれた。

ちょっと陽射しが強くなってきたお昼に、待ち合わせ場所のマジバに向かった。

店内をくるりと見渡すと、窓際の定位置に窓から射し込む光できらきらと水色の髪が透けていた。

伏し目がちになって文庫本に目を通す後ろ姿を微笑ましく思いつつ、とんとんと肩を突いた。

「テツくん、ごめんね。お待たせ!」

「いえ、僕が早く着きすぎてしまっただけなので。むしろまだ時間よりも早いです。」

優しい微笑みに心が暖かくなりながら、お互いに早く会いたかったんだなと密かに感じられて嬉しかった。

トレーにハンバーガーやポテトが並び、今日の行き先について相談することにした。

いつも出かける時事前に「ここに行く!」と決めることは少なくて、大体お昼ご飯を食べながらその日の天気や気分で決める。

「今日どこ行こうか?」

「そうですね…。暖かいので外を歩くのもいいですね。」

「大きい公園とか動物園とか?…どうせなら朝からお弁当持って行きたいところかなぁ。」

言ってはみたものの何故かピンとこなくて、テツくんに一つ提案してみた。

「せっかくテツくん久しぶりのオフだし、テツくんの好きなこととかやりたいことしよう!」

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