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黒子のバスケ*Short Stories3

第36章 たまには甘えんぼ*黒子*


時計を見れば夜9時を回っていた。

さっき「今仕事が終わったので、これから帰ります。」とメッセージが入っていたから、そろそろだと思うんだけど…。

するとインターホンが鳴ったので、確信を持って玄関まで急いだ。

合鍵をもちろん持っているけど、どちらか家にいるとわかっている時は出迎えようという暗黙の了解がある。

一応覗き穴から確認したらやっぱり彼だった。

「テツくん、お帰りなさい。お疲れ様でした。」

扉を開けるとふっと笑みを浮かべるテツくんが立っていた。

ただやはり一週間分の疲れが溜まっているように見えて、抱きつきたい気持ちをぐっと抑えた。

「ただいま。、お出迎え有り難うございます。」

すると私を優しく抱き寄せて、おでこに唇を寄せてくれた。

「我慢しなくていいですよ。してくれないと調子が狂います。」

「…顔に出てた?」

「毎日見てるんですから、が考えることは何となくわかるものですよ。」

照れくさいけど、でもそれが幸せで。

お互い顔を見合わせてふふっと笑った。

「ご飯食べれる?軽めの方がいいかな?」

「そうですね…。時間も遅いので少しでいいです。着替えてくるのでお願いしてもいいですか?」

笑ってくれるけれど、やっぱりどこか無理しているように見える。

テツくん、私だって何となくわかるものなんだよ。



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