第33章 今日からまた始めよう*宮地*
夕飯を食べて部屋に戻ると、ベッドに突っ伏して寝息を立てるがいた。
「…待っとけって言っただろ。」
隣に座ってまじまじと寝顔を眺めていると、改めて実感する。
「こいつ、こんなだったっけな…。」
近くにいるのが当たり前で、自分のことを何でも知っているからこその居心地の良さ。
中学の時、好きなやつがいるって相談してきたことで生まれた不安。
「が側にいなくなるかもしれない」ということがあり得なかった。
初めて見せたの表情に胸が音を立てたことで、「幼なじみ」とは違う特別な存在だと気がついた。
なのに、当の本人は仮にも年頃の男子の部屋で意識をすっかり手放している。
「無防備すぎるだろ…。」
部屋には二人きり。
好きな女が眠っている姿に、何か箍が外れてしまったのかもしれない。
そっと顔を寄せて息がかかりそうな距離まで詰めた瞬間。
「…清志?」