第33章 今日からまた始めよう*宮地*
部活を終えて家に帰り、飯の前に着替えようかと自分の部屋の扉を開いた。
「あ、清志おかえり。」
何故か部屋の電気は点いていて、テーブルの上にはマグカップ。
ベッドを背もたれにして座っていたのは。
「おい、。お前の部屋じゃねぇんだぞ。」
「だっておばさんが部屋で待ってていいよって。清志に宿題教えてもらおうと思って来たのにまだ帰って来てなかったんだもん。」
はずっと隣の家に住んでいて、家族ぐるみで仲も良い。
所謂「幼なじみ」というべきか「腐れ縁」というべきか。
「…着替えたいんだけど。」
「別にいいよ。清志の着替えなんて何度も見てるから。」
気にする素振りもなく携帯をいじるところを見れば、俺を「異性」として見ていないことは歴然としていた。
「…じゃあ遠慮なく。」
一応気を遣っての背後に回って着替えをして、部屋を出ようとした。
ふとを見ると、じっと俺の顔を見つめている。
こういう時は言いたい時がある時だ。
「…宿題見てやるから、飯終わるまで待っとけ。」
「うん!ありがとう!」
屈託のない笑顔は昔から変わらない。
癖や仕草も昔から変わらない。
変わったのは俺の気持ちだけだ。