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黒子のバスケ*Short Stories3

第27章 小さな箱に大きな想い*日向*


週の真ん中、水曜日の19時30分。

お互い仕事で忙しくしている平日にデートの約束なんて本当に珍しい。

私の方が先に着いて待ち合わせ場所に立っていると、遠くから歩いてくる彼の姿を見つけた。

人が多いからか私を見つけられずきょろきょろしているようだったので、近寄って腕を引いた。

「お仕事お疲れ様でした。」

「あぁ、いたいた。お前もお疲れ。」

「ねぇ、何か私に言うことあるんじゃない?」

「わかってるって。…誕生日おめでとう。」

そう、今日は二人で迎える3回目の誕生日。

大体私が欲しいものを買ってもらって、食べたいものをリクエストして、目ぼしいお店で夜ご飯を食べるのが定番になっている。

今年は集まれる時間が遅めだから、プレゼントはまた後日。

任せてしまうと、本当に彼の愛がこもったジオラマをプレゼントされそうで恐い。

「オイスターバーに行くとか、俺らも大人になったよな。」

「ね。あー、牡蠣楽しみ!」

「ノロウイルスかかんなよ?」

「順平そういうのすぐなりそう。」

「ダアホ!そんなヤワじゃねぇんだよ。」

どちらともなく自然に手を繋げるようになったのに、一緒にいる時間の長さを感じる。

多くの人が行き交う中、お目当てのレストランに向かった。
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