• テキストサイズ

黒子のバスケ*Short Stories3

第24章 暖かくて甘い時間をあなたに*伊月*


今日は恋する乙女のビッグイベントだけど、いつもと違うことがある。

彼と同じ家で、同じ名字で迎える初めてのバレンタイン。

いつも仕事で遅い彼を待つ間に、慣れない手つきで久しぶりにお菓子なんて作ってみる。

…といっても、手作りキットっていう安全策をとっているんだけど。

バレンタインが近付いていたある日、彼に直球で尋ねてみた。

「バレンタイン何が欲しい?」

「うーん…。もらえるだけでも嬉しいからなぁ…。あ、でもも仕事してるんだから、無理して用意しなくていいからな。」

いつも私を気遣って優しい言葉をかけてくれる彼。

こんな私をお嫁さんにしてくれてありがとうっていう気持ちと、改めて愛してるっていう気持ちをバレンタインの力を借りて伝えたい。

お家で一緒に迎えられるからこそ、このお菓子にした。

実は事前に練習していたから、二回目の今日は前よりも少しスムーズに作ることができた。

「…よし!あとは食べる時に飾り付けするだけっと…。」

こっそり見えないところに出来上がったお菓子を隠していると、玄関からガチャっと鍵を開ける音が聞こえてきた。
/ 266ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp