第8章 テニスで勝負
『想ってる人に似てる、か…
いいな〜
零くんに想われてるなんて幸せな人…
一目惚れって、言ったくせに』
目を閉じて思い出す
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『じゃあ、大きくなってもあたしの事…好きでいてくれたら結婚してあげる』
顔を真っ赤にして強がる
《え…?本当?
僕のお嫁さんに、なってくれるの?》
『大きくなっても好きだったらだよ!
迎えに来ないと、お嫁さんになってやんない!!
あたしは、神崎碧!
あんたは?』
《僕は零!降谷零!!
嬉しい!
大きくなったら、迎えに行くね(ニコッ》
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(あの頃は、恥ずかしくて偉そうなこと言ったけど
もし、こんな立場じゃなかったら…
あたしから会いに行くのに…)
それすらも叶わない
一筋の涙が零れる
『こんなことなら、あの時死んどけばよかったんだよ!
迎えに来るって言ったじゃん!』
溢れた涙は止まらない
泣きすぎた私は、いつの間にか眠ってしまっていた