第2章 契約成立
「檜原さん?」
「は、はい!」
あのあと毛利さんが帰ってきて、今は毛利探偵事務所にいる。
安室さんはなんと眠りの小五郎で有名な毛利さんの弟子らしい。それもそれで凄いことだ。
そんな凄い人にやってもらっても良いのかと感じだけども毛利さんも協力してくれるらしい。
「えっーと、内容は、"浮気調査"でよろしいんだな。」
「は、はい!こ、この男性を調査してほしくて。」
毛利さんがそう言うとなんだか緊張をしてしまい、写真を出す手が震えてしまった。見た目的には普通の男性だけども、本当に怖い人で。
「その怪我はどうしたのですか?腕にも包帯が巻かれているではないですか。まさかこの男に……。」
「いや、それは……。」
「本当のことを教えてください。」
本当のこと。……そうだよね、突き止めるとしても何か決定的な証拠がないといけないですよね。
長袖を捲り、包帯を見せるように前に出した。
「ぼ、暴力をふるわれて、いました。で、でも、それは自分のせいでもあるので、浮気とは、関係ないですので気にしないでください!」
凄く微妙な顔をされた。その表情でわかる『絶対に嘘だ。』と。でも、私がうじうじしているからふるわれるだけでもっと強い女性だったら良かったのだ。
強い意思を持っていれば、絶対に何かしらは分かっただろう。
「……もし、浮気の証拠をつかめたら何をするのですか?」
安室さんは私をじっと見て、そう言い放った。
何がしたい?それは勿論、別れたい。だって刃物を使い始めて殺されるかもしれない状況だからだ。
「……別れたい、です。彼が『浮気の証拠をつかめたら別れる。』と言っていたので。」
私には、頼るしか方法がなかったのだ。