第2章 契約成立
「……分かりました。いつぐらいから始めた方がよろしいでしょうか。」
「え、えっと、ご都合が良ければ、早めが良いです。」
早く、早くしないと私がどうなるかわからない。
バッサリと切られた髪の毛に触れていると毛利さんは「うむ!」と声を上げた。
「この、毛利小五郎にお任せください!」
「い、いいですか!?」
顔をあまり上げてなかったが、嬉しくてバッとあげた。
何も残っていない私には勿体無い言葉で口元が上がりそうになったけれど殴られた痕が痛くて上げられなかった。
すると前にいた安室さんが私の手を掴んだ。
「絶対に、浮気現場を押さえてみせます。」
「お手数おかけしますが、よろしくお願いします。」
契約成立がした。あとは、探偵さんに助けてもらい彼の浮気現場を押さえてもらう。そして、ゆくゆくは別れを告げて実家の田舎にひそひそと帰りたい。お母さんとお父さんに会いたい。
一人では、何もできない私が求めた先には一筋の光が見えた気がした。