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【名探偵コナン】求めた先に。【完結】

第9章 崩れていく




「脱獄って知っているか?」
「もしかして、逃げてきたの?」


 警察は何をしているんだ。どうやって逃げてきたんだ。
警察のせいにしても仕方がないのに涙が溢れて止まらない。百合ちゃんは隣からはぁ、と溜め息が聞こえてきた。



「私まで手荒いんじゃないの?」
「おぉ、百合か。ご協力どうもありがとな。」


 何を話しているの?元彼は百合ちゃんと私に縛り付けられていた縄を外し、私の頭に銃を向けて「動いたら殺すぞ。」と動けなくなってしまった。
さっきまで一緒に捕まっていた百合ちゃんは元彼の隣に行き、頬に唇を付ける。
どういうこと?なんで?百合ちゃんが助かったのは、良かったけれどなんでキスなんてするの?


「状況を理解出来てないらしいわね。」
「嘘だろぉ!?こんな奴と俺は付き合ってたのかよ!?……見れば分かるだろ?お前は百合に裏切られたんだよ!」


 百合ちゃんに裏切られた……?目を袖で拭こうとした瞬間に「動くな!」と怒鳴られて涙を流しながらも百合ちゃんを見た。


「どうして、和解したはずじゃ……。」
「和解?それはあなたが思っているだけじゃないのかしら?」

「追われていることは?」
「全部、嘘。ここまで呼ぶ為にしたことよ。」


 騙されていたの? 理解をした瞬間に零が頭の中に浮かんだ。百合ちゃんが前に『牙を隠している』と言っていたのはそういう意味だったのか。全然、気づかなかったよ。
 何も感じられなくて見ているしかない私に元彼は大笑いをし始める。



「百合から全部聞いたけれど、お前可哀想だな!
あの探偵にもハニートラップされていたんだろ?」
「なんでそれを知って……。」




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