第4章 なぐさめから
「あのアパートでまた暮らすとは、考えられません。
だから僕の家に暮らしませんか?」
な、何を言っているだろうか……
あまり理解が出来ていなくて、周りをうろちょろ見える。周りのカップルは私達のことをチラチラ見ている。
まぁ、私と安室さんが並んでいる時点で気になる対処だと思うけれど……ではなくて!
「ひ、引っ越す予定なので心配は平気ですよ!」
「引っ越すまであのアパートにいるんでしょ?その期間が心配なのです。じゃあ、家政婦として居てくれませんか?」
家政婦って……お金関係が発生する?
感じとった瞬間、横に頭を振る。今、探偵雇ったお金でこれからぎりぎりな生活になるけれど暮らせない事はないし!
「それは申し訳ないので嫌です!……男女で暮らすのですよ?まだあまり知らないのにそれで安室さんは良いのですか?」
私は正直言って、今は男の人とはあまり暮らしたくはない。断れなくて、下を向いていると「あはは。」なんて笑い声が聞こえてきた。
「檜原さんだったら、僕は嬉しいですし……檜原さんと暮らしたいです。」
「……安室さんはなんで私に良くしてくれるのですか?」
2.3回ぐらいしか会ったことが無いのに夜景に連れて行ってくれて、最終的には"私が心配だから、一緒に暮らそう。"なんて普通の人だったらそこまでやらないし、言わないよ。私の良くする意味も分からないし、良くしたって何も出てこないのに。
顔を少し上げた瞬間に、頬に優しく手を添えられてさっきよりも上げられた。目の前には、光に照らされて微笑んでいる安室さん。
「一目惚れ、をしたのです。檜原さんに。簡単に言えば、好きだからですよ。」
私のことが、好き?