第4章 なぐさめから
「あの人は、最初は優しかったんです。だから、信じて待っていれば、戻ってくれると、思ってっいて。
最終、的には、私から、友達も奪って……友達がしんぱ、いです。」
「何故、心配なんですか?」
「?私みたいに、暴行受けて、ないか。と」
写真から見た感じでは傷ついたところはなかった。でも、見えない所に傷はあったかもしれない。鞄からティッシュを取り出し、女の欠片もない鼻をかむと何だかため息が聞こえてきた。
「普通だったら恨みますよ、それ。」
「恨む……?でも、あの、な、納得はしているので……。」
そう返事をしても何故ため息をつかれた。
話をしていくうちに、車は止まった。安室さんの車に乗っていたのは夕方だったのにもう夜になってしまいびっくり。何時間乗っていたのだろうか、ずっと泣いていたので気づかなかった。周りを見渡しても、ここがどこなのか分からない。
「外に出ないのですか?」
「で、出ます!」
安室さんに声をかけられて助手席から降りて、外に出た。風が涼しくて凄く気持ちが良かった。
いつの間にか涙が引っ込んでしまったけれど、安室さんのハンカチを握りしめながらついていくとそこには無数の光があった。
「ここが僕のお気に入りの場所になります!」
暗闇の中で都会の光が輝いていて、それは眩しいとは思わずまるで星を見ているような感覚だ。夜景……というものなのかここか。思った以上に心が踊った。