第3章 早い仕事に、バカな男
「僕の前では、たくさん泣いてもいいですよ。怒りませんし、何もしません。」
「……もしかして、慰めてくれるのですか。」
「えぇ、勿論。もしもお節介だと思ったら断っても良いですかね。」と言われて何だか凄く嬉しくなりそれにも泣きそうになった。
今日で、安室さんと会うのは2回目だ。それなのに、なんでこんなに安心できるのだろう。やっぱり、探偵さんだから?
「ぜひ、お願いします……!それまでは、よろしくお願いします!」
何だか、仕事の速さにびっくりしているがそれほど分かりやすく浮気をしている彼は何も考えてないらしい。
もしかしたら、私も探偵さんみたいに調査したら結果は出ていたのではないのか?でも、それは安室さんと毛利さんの力だろう。いや、安室さんの力が強いか。
毛利さん協力とは、安室さんのお手伝いをするような形になるらしい。主に調査をしてくれるのは安室さん自身だ。
若いのにすごいな。本当に尊敬出来る。それに比べて私は……。
「また、ネガティブモードですか?」
「ち、違います!ただ単に、私と同じぐらいなのに探偵なんて安室さんがすごいなと思っていただけで!」
「檜原さんよりも結構年上ですよ。」
「……え、あの、ご年齢は。」
「29です。」と声が聞こえてきてびっくりしてもう一度安室さんの顔をじっくり見た。
いや、ただの4歳差だけども私と同じぐらいに見えるよ。もしかして、ただ私が普段の年齢よりも上に見えるだけ?
「そんな見つめられても穴が空きますよ。」と言われるまで私は安室さんの顔をずっと見つめていた。