第3章 早い仕事に、バカな男
「彼は、浮気をしています。」
調査開始から、数日しか立ってないのにもう証拠は掴めていた。安室さんの愛車であるRX-7という凄くいい車の助手席に乗らせていただいている。
そう言われて渡されたのは、数枚にも及ぶ証拠の数々。
「……完全に、私のお友達ですよね。」
「お友達さんなんですか、?」
なんと相手は、私の友達であった。私とは違って背は高く、目はキリッとしていて濃いアイラインも似合うような凄く美人さんであり自信家でもある。
私はというと、背は低くてメイクは似合わなくて凄くネガティブと周りから言われている。肌が弱いから濃いメイクは出来なくていつもナチュラルメイクだ。
そんな真逆な友達。なんだか納得がいく。
「……泣きそうですよ。」
そう言われてハンカチを渡されたが、首を横に振る。
耐えて、耐えて。涙が溢れないように目尻に力を入れて安室さんの方を見た。
「大丈夫です!な、泣くのは、別れたあとに、泣きます。
私、泣き虫で、いっつも泣いては怒られるので、別れるまでは怒られたくありませんので!」
涙腺が弱いせいだ。もっと強い女性にならなければ。
ぱんぱんと頬を叩いて、安室さんにお礼を言った。少し涙で歪んでいるがなんだか複雑そうな顔をされた。
「……分かりました。では、別れたあと僕と会いませんか?」
「会う……?」
どういうことだろうか?首を傾げて、少し歪んだ安室さんをじっと見つめた。