第1章 犬も歩けば棒に当たる
「あれ?そういえば、君のヒーロー名って何だっけ?」
『私ですか?私は
シェイドですよ』
「そうだっけ?」
『そうですよ。事務所の場所提供とスポンサーを担う会社の副社長がそんなで良いんですか?』
「よくない。全くもって良くない」
シェイドはため息混じりに腕時計を見て、
『10時ですね』
と呟く。
それを聞いた副社長は「もうそんな時間か」と呟き、
「じゃ、会議の準備するんでこの辺で」
『はい』
「何かあったらフロントで聞いて」
『はい』
「余裕があったら様子見に来るからね。そんじゃ」
『はい。ありがとうございました』
シェイドは扉がしっかり閉まるまで、頭を下げていた。
『さて、と』
シェイドは部屋を振り返ると、
『今日は肉体労働の日ですね!』
麗しい笑顔でそう言った。