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【ヒロアカ】自己犠牲ヒーロー

第4章 おくびにも出さない


「おー!緑谷!久しぶりだな!」
「オメェも相変わらずだな」
「…………」

上鳴が元気よくデクに声をかけ、切島は笑顔を見せる。爆豪は一瞥し、そっぽを向く。
デクは相変わらずの幼馴染の反応に苦笑いして、切島の前に座る。

「あ、そうそう、緑谷。よかったら使えよ。座布団」
「えっ、いいの?ありがとう」

デクは切島がどこからともなく差し出してきた座布団に腰を据える。
デクを案内してきた女性の使用人は、既に襖を閉めていなくなっていた。
その後、デクと切島と上鳴の3人で近況報告のような雑談をした。途中、女性の使用人が戻ってきて、デクに茶を出し、他3人はおかわりした。
この時にデクは使用人に、何人のヒーローを雇ったのか聞いたら

「全員で5人です。詳しい事は最後の人がいらっしゃいましたら、私からご説明させて頂きます」

と答えた。
そして午後6時30分過ぎ。

「こちらでお待ちください」

女性の使用人の声が聞こえてきて、襖が開けられた。
















『…………』
「い、如何致しましょう」

シェイドは眉間に皺を寄せて、もう一度依頼書を読み返す。

「シェイド、顔怖い」

隣に座る従兄弟にそう言われても、眉間の皺を緩めようとしないシェイド。
テーブルを挟んで向かい側の席に座る警察官2名は、つい先程まで穏やかな(少なからず2人にはそう見えた)表情だったシェイドの豹変ぶりに困惑していた。
シェイドは依頼書から顔を上げ、警官2人に見えるように依頼書の向きを変えてテーブルに置く。そして、追加報酬額の欄を人差し指でコツコツと叩きながら、警官2人を睨む。
それを隣で見ていた従兄弟はある不安を抱いた。

「(まさかシェイドに限ってそんな筈は……いや、その “まさか” かもしれない。今回の仕事は彼女の実力じゃ、無理があるし……)」

しかしながら、それは杞憂に終わった。

『こんなに貰っては市民に顔向け出来ません。もっと安くなりませんか?』
「「……はい?」」
「(よかった。いつものシェイドだ)」

しばらく驚いていた警官2人は顔を見合わせたが、こちらもこれくらいの事はさせてほしいと言ってきた。
シェイドは唸った。しばらく考え込んでいたが、横に座る従兄弟の顔を一瞥する。
それに気がついた従兄弟は警官2人にこう提案した。

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