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【ヒロアカ】自己犠牲ヒーロー

第3章 根掘り葉掘り


そして現在。
シェイドがオフィスビルの清掃作業を終えて、副社長に報告して今日も褒め倒される5分前。つまり、午後3時少し前。
ヒーローデクこと緑谷出久は、ビジネスホテルの一室で今日からの仕事の準備をしている。
夕方に現地集合で、他事務所のヒーローと連携して仕事をすることになっているが、詳しいことは直前に話すと言われている。
緑谷は不可解な現状に不快感を隠せないでいるが、どんな内容であれ、困っている人を見捨てるわけにはいかない。ヒーローなのだから。
緑谷は物思いに耽った状態で、コスチュームのベルトを締めていると

ぶぶっぶぶっ

ベッドの上に置いていたスマートフォンが振動して電話の着信を知らせる。
誰だろう?と思いながら画面に表示されている名前を見て、次の瞬間には目を見開いて慌てて通話ボタンを押していた。

「も、もしもし!」
「もしもし!緑谷、久しぶりだな!」
「み、峰田くん。どうしたの?」

高校以来の学友からの珍しい電話に、緑谷は思わず両の手でスマートフォンを支える。

「実はオイラ、見ちまったんだよお……!」
「な、何を……?」

単刀直入に話し出す峰田に、特に気を悪くした様子のない緑谷は続きを促す。

「容姿端麗!才色兼備!まさに絶世の美女を!」

コミックだと「ドーン」という効果音が聞こえて来そうな勢いで峰田はそう言った。

「……はい?」

峰田の勢いに負けて目が点になる緑谷。

「だあからあ!美女だぜ美女!しかもヒーローやってる!オイラ、個性使ってるところ見たし!」
「そ、そう、なんだ」
「緑谷、まだ続けてんだろ?ヒーローノート」
「うん、まあ。趣味というか癖になってるし」
「だろうと思ったぜ!だから写真送るよ!」
「……誰の?」
「美女ヒーローの」

それを聞いた瞬間、緑谷は一気に冷静になった。

「ちょっと待って峰田くん。盗撮って言う犯罪知ってる?肖像権って言う権利知ってる?」
「知ってるよそんくらい!オイラのことをなんだと思ってるんだ!」
「性欲の権化」
「緑谷、ほんと変わったよなあ。よくも悪くも」
「そう?」

で、本題に戻るんだが、と言いながら峰田は話を戻す。
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