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【ヒロアカ】自己犠牲ヒーロー

第3章 根掘り葉掘り


シェイドの生まれた町は、いわゆる過疎地域だ。
そして、配属されたプロヒーローの事務所がある地域も、シェイドの故郷程ではないが、人口は少ない。
故に、発生する事件は限られてくる。




シェイドはとにかく暇を持て余しているため、人の集まりそうなスーパーや公園をふらふらしていた。
相変わらずの平和な町で、シェイドは穏やかな気持ちで人通りの多い場所から離れた。何かあっても、事務所の人たちがすぐに駆けつける。
だから、人気がなく車が通れない道を歩いてみることにした。普段から来れない場所だ。
家までの近道とかで使われそうな雰囲気だ。




シェイドが腕時計を見てみると、時刻は17時になろうとしていた。

『(そろそろ帰りましょうか)』

残暑の厳しい日が続く今の時期でも、暗くなるのは明らかに早くなっている。
シェイドが顔を上げると、1人の男が小さな老婆から鞄をひったくるのを目撃した。男はこちらに向かって、“個性”を使っているのか、滑るように走ってくる。
男はシェイドの存在に気づかぬまま、彼女の前を通りかかり、通り抜き、通り過ぎた。








その時、男は右足に走った激痛に転びそうになる。
さらに、左足からも同じ激痛が。
痛みに耐えきれず、男は両膝をついた。
そして、後頭部を何者かに殴られた。その拍子に老婆から奪った鞄を奪われる。
男は上半身だけで振り返ると、1人の女性が老婆に鞄を返していた。
男が痛む足に目を落とすと、赤くなった自分の足と赤く染まり始めた地面が見えた。

『わかりますか?貴方が何をして、何をされたか』

男が顔を上げると、老婆に鞄を返していた女性が目の前に立っていた。
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