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【ヒロアカ】自己犠牲ヒーロー

第2章 どんぐりの背比べ


同時刻。
駅前のロータリーのベンチで2人の男が座っていた。
2人ともラフな格好で、大きなボストンバッグを持っている。
1人は砂色の髪をした目つきの鋭い青年。
もう1人は赤髪の人当たりの良さそうな青年。
しばらくすると、駅から金髪に黒メッシュの青年が出てきた。彼も大きなボストンバッグを持っている。
彼がベンチに座っている2人を見つけると、

「おー!爆豪!切島!ひっさしぶりー!」

元気よく挨拶した。

「おー!上鳴!久しぶり!」
「うるせえ。近所迷惑だ」

赤髪の男__切島も元気よく挨拶し、砂色の髪の男__爆豪に軽く怒られる。

「早く行くぞ」

爆豪は颯爽と立ち上がると、ボストンバッグを持って歩き出した。

「おいおい、待てって爆豪!」

切島は慌ててボストンバッグを掴むと、爆豪のすぐ後ろにつく。上鳴は切島の横に並んだ。
上鳴が話を切り出し、切島がそれに答える。

「しかし、各事務所のサイドキック1人を選んで護衛の仕事なんて珍しいよな〜」
「そうだよな。1つの事務所に依頼すれば良いのに」
「依頼主の意図が掴めねえ」
「全くだぜ。ーーなあ、爆豪。お前んとこに何か情報来てたりする?」

爆豪は急に切島に質問されたが、いつも通りの口調で答える。

「んなもん俺が知るか。どっかの財閥の息子の護衛としか言われてねえ」
「そっか〜」
「俺も同じだー」

切島と上鳴が相槌を打つと、丁度川に差し掛かった。
3人が橋を渡っていると、暗い川沿いに1人の人間がポツンと立っていた。



この超人社会においても、夜中の川沿いに全身青白い迷彩服で身を包んだ人間が、ヌボーと立っていれば驚かない人間などそうそう居ない。
つまり、何が言いたいのかというと、

「あ?」
「うわあっ!」
「ぎゃああああ!」

爆豪は己の目を疑い、切島はビクッと跳ね、上鳴は逃げ出そうとした。
それぞれがそれぞれの驚き方を披露した。
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