• テキストサイズ

卑しき狗の愛憎

第2章 予想通り


首領の命に反した晶子の言葉に、その場にいた幹部たちは眉を顰めた。いくら晶子がポートマフィア内で、首領に次ぐ権限を持っているとは言え、幹部でもない芥川がこのお茶会«ティーパーティー»に臨席する事は相応しくないと誰もが思っていた。しかし、
「"先生"の仰せだ。首領が反対しないのであれば、"先生"の命令は絶対だよ?ねぇ、首領?」
と太宰が口を開いた。
「ふむ。まぁ、そのうち内々に通達される話だから、芥川君がこの場でこの話を聞こうが、大したことでは無いね。何より私の可愛い"紫の上"のお願いなら聞かない訳にはいかんよ。」
とテーブルに肘を付き、顔の前で手を組んでいた森はこう答えた。
森は右手をすっと上げ、黒服の構成員に晶子の隣に席を用意させた。
「しかし"紫の上"は流石に目敏いね。早速芥川君に才能を見出したのかい?」
と隣に座る晶子に愉快そうに問い掛けた。
「ほっほっほ、あの猛々しい目付きが気にいっただけの事。飼い慣らしてみたいと思うただけよ。」
と晶子もまた面白そうに笑って答えた。

「さて、無駄話はこれくらいにしてお茶会«ティーパーティー»を始めようかね。」
妖しい微笑みを湛えた森の一言で、ようやくお茶会«ティーパーティー»が始まった。
/ 30ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp