第5章 サンノ村
「大丈夫だよ、おっちゃん今までサンキューな!」アールはおじさんに手を振ってにっこり笑った。
「そうかい…気ぃつけてな!」おじさんは船をUターンさせて帰っていった。
「さ、行くぞヒヨッコ…」アールはすぐに歩き出した。
「ま、待ってください!」私はすぐアールの後を追った。
ザクッザクッ 雪の上を歩く度に音がする。
「雪は真っ白いですね!」私は雪を手に取った。
「ヒヨッコは雪が初めてなんだっけ?」アールは足を止めてその場にしゃがんだ。
「アールどうしー」私が質問しようとした時
ボフッ 何かが私の額に当たった
「冷たい!?ちょ、な、なんなんですか!!?」私に当たったのは丸まられた雪の塊だった。
「アッハッハッハッハッww」アールが笑い転げている。「ヒィ~wあ~おもしれぇ~w」アールが私に投げてきたのだ。
「アール!!」私も雪の塊を作ってアール目掛けて投げた。
「あっぶな~w」アールは影を使って雪の塊をキャッチした。
「アール!影を使うのは卑怯ですよ!!」私はまた雪の塊を投げた。
「あだっ!」アールの顔に当たった。
「アハハwアールの髪元から白いのに更に白くなったねw」私も笑った。
「コノヤロ~w」アールは顔に付いた雪を拭うと私目掛けて走ってきた。
「わぁぁ!!w」私は走った。
アールは物凄く早かったので秒速で捕まった。
「フフ…wアハハハハw」「アッハッハッハッハッw」
私とアールは雪の上に寝転がったまま笑っていた。
「アールも楽しめるんですね!久しぶりに遊んだ気がします!」私は話した。
「ボクも久しぶりにガキみたいに遊んだ気がするよ~」アールも話した。
しばらく私とアールは寝転がったままボーッとしていた。
「さて、そろそろ村に行って泊まる場所と食いもん買いに行こう!」アールは起き上がって私に手を伸ばして起き上がるのを手伝ってくれた。
「ククッw」アールは私の姿を見て笑った。
「どうしました?」私は首を傾げた。
「いやw頭に雪が乗ってるよw」アールは笑いをこらえながら私の頭に乗っている雪を落としてくれた。
「ありがとうございます…///」私は恥ずかしがりながらもお礼を言った。
私とアールは歩いているうちに目的の村…サンノ村に着いた。
この村では動物の皮で造ったブーツやコートを身につけている人が多いな~。
「宿屋探すか~」アールは周りをキョロキョロして宿屋を探し始めた。