第4章 死神と墓石
「おう!任せんしゃい!」おじさんはドヤ顔でアールに答えた。
「ならサンノ村まで…今行けるか?」アールは少し首を傾げて質問した。
「今かい?う~ん…もう少ししたら雨が降るから今は無理かもな…」おじさんは腕を組んでそう言った。
「そうか…ヒヨッコ、ボクは少し出掛けてくるからな」アールは私の肩に手を置いて言った。
「は、はい。行ってらっしゃい!」アールは少し微笑んで影の中へと姿を消した…
ここは白髪赤眼族が滅んだ島…罷島…
「…久しぶりだな君の墓参りに来るのは…マヤカ…」ボクはマヤカの墓の前に立っていた。
「君はボクの命の恩人だよ…ま、今じゃ〈死神の座〉を与えられて今じゃ〈死神〉なんだけどね…ハハ…」ボクは影の中から酒瓶を取り出して栓を開けた。
「ボクは酒を飲まないよ…マヤカ君のために用意したんだよ…」ボクは酒をマヤカの墓にかけた。
「美味いか…酒は…マヤカ…ボクは今仲良しの人間がいるんだ……今更だが…今のボクは多分マヤカより身長があるな…ハハ!」ボクはマヤカの墓の前に座って駄弁っていた。
「なぁ~マヤカ…〈ゼウス〉を倒したら世界変わると思うか?…白髪赤眼族の仇取れると思うか?……今のボクは正しいと思うか?…マヤカ、何か言ってくれよ……ボクは後何年、何億と生きていればいいんだ…君に会いたいよ…父さん…そう呼んでいいかな……?」
アールは何処へ行ったんだろう…私はまた、海を眺めていた。
…アールは何年生きてるんだろう…見た目は20代前半に見えるけど…気になるな~私は海に石を投げた。
アールの昔が気になるけど…話してくれないよね~…あ、雨が降ってきた…おじさんの家に帰ろ…
ボクは喋ることを全て話し終えて立ち上がった。
「また…また来るよ、父さん!」そう言ってボクはまた、影の中に入った。
ん?
ヒヨッコが昔のボクのこと気になってるって?
フフ…君達も気になるのかな?
悪いね~ボクは昔のこと話したくないんだよね~
ま、いつか話すよ。
雨が止むまでサンノ村には行けないからな~
早く雨が止むといいな…