第2章 黒の時代(序章)
店に着くなり商品をみて
驚いている中也の姿があった。
「……こんなにするのか?」
目を丸くして私をみた。
中也が指しているのは
宝石が散りばめられた髪飾り。
値札には百万とあり、ショーケースに入っていた。
私は小さいため息を吐いた。
「あのね、中也君。
そんなキラキラした光物つけて前線立ったら
即狙撃されて終わりよ」
中也はそっか。と直ぐに納得した。
「私が勧めるのはこっち」
そこに書いてあるのは
オーダーメイドのバレッタだった。
中也はその紙をまじまじと見つめた。
「どう?」
「悪くねェな」
そう言うと直ぐに店員さんの元へ向かった。
しばらくして中也は戻ってきた。
「悪ィな。待たせちまった」
「どんなの頼んだの?」
「秘密だ」
と言ってニヤリと笑った。
「この後空いてッか?
飯奢ってやるよ」
ご機嫌な中也は遅れたお詫びをしてくれるそうだ。
「少しなら付き合ってあげる」
「そう来なくちゃ」と中也は
近くのレストランへ電話した。