第2章 黒の時代(序章)
少ない荷物を抱えてエレベーターに向かう。
治ちゃんの部屋は上の階だ。
直ぐにきたエレベーターに乗り込み
治ちゃんの執務室に向かった。
コンコンッー
「萩原葉琉です」
返事はない。
「勝手にあけますよー」
と言って勝手に扉を開けた。
中には治ちゃんどころか
誰も居なかった。
(あ、これ逃げたな)
なんて思いながら
葉月が前に使っていたであろう机に
荷物を乗せた。
机の上に一枚のメモがあった。
【やァ葉琉ちゃん!明日から宜しくね!
私は私用がありお先に失礼するよ。
今日の夜、あの店で葉月ちゃんのお祝いをしよう!
連絡をしといてくれ給え!】
と、言うことだ。
本当に勝手な人だ。
よくこんな人と組めたなーと、
自分の姉を思い出しながら
荷物整理を行った。
そうこうしているうちに
時計は十六時三十分を回っていた。