第13章 華麗なる幕引きを
「太宰さん、葉琉さん」
太宰と葉琉は声の主に目を向けた。声を発したのは芥川だ。
「最早邪魔する者は無い。今日こそ……僕なら力を」
ふらふらと立っているだけでやっとな様子の芥川に、太宰は歩み寄って行った。
「如何かな。もう限界だろう?組合の長を倒したんだから。強くなったね」
太宰はぽんと芥川の肩に手を置いた。葉琉も芥川に近付き、抱きしめる。敦と鏡花と同じ様に。
「芥川君、よく頑張ったね」
そして、同じ様に頭を撫でた。
ふらり……ドサッ
「ありゃ」
「あらぁ」
芥川はその場で倒れた。
「葉琉が刺激的な事するからだよ」
「治ちゃんが滅多な事するからだよ」
二人の言い合いを見ていた敦は、自分達を呼ぶ声に振り向く。そこには探偵社の皆がいた。
敦と鏡花は安心した様に微笑みあった。