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明るみの花【文豪ストレイドッグス】

第12章 双つの黒と花の役割


太宰は満足そうに抱き上げた。

「今日は最悪の一日の予定だったが、最高の一日へ変更の様だ。ねぇ、葉琉。葉琉から接吻して欲しいのだけど、駄目かい?」

太宰は抱き上げた葉琉を見上げる様にお強請りしてくる。葉琉は両手でそっと太宰の頰を包み、自分の顔を近付けた。そっと触れる唇に太宰の温もりが伝わる。そのまま太宰の肩に顔を埋め「恥ずかしい」と呟いた。

「ふふっ本当に可愛いね、葉琉。さぁ、帰ろう。私もくたくただよ」

太宰は葉琉を抱き上げた儘歩き出した。

「治ちゃん、このまま帰るの!?」

「駄目かい?」

「駄目じゃないけど…」

太宰は歩みを止めず、葉琉もそのまま太宰の肩に凭れていた。









ーーねぇ、葉琉。
能力を戻したとき、君は人を殺さなければいけないかもしれない。彼は君の気持ちなど無視して君に殺して欲しいとせがむだろう。その時、君は……
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