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明るみの花【文豪ストレイドッグス】

第12章 双つの黒と花の役割


ゆらゆらと佇んでいる男の前に太宰が一人、前に出た。男は太宰に気付くと容赦なく触手を伸ばす。ギリギリまで惹きつけた所で、太宰が屈み飛び越えるように葉琉が触手を蹴散らした。
次に出てきた中也が葉琉の着地地点で構え其の儘空高く葉琉を飛ばした。

「おぉー高い!」

中也は触手の上を足場に男に迫り胸に腕を突っ込んだ。

「重力操作」

男は触手ごと地面に貼り付けてられ、中也は勢いで空高く飛んだ。

「ほら、葉琉。仕事だ」

「判ってるって」

異能力ー氷島

葉琉の周りに鋭利な形をした氷の塊が出現する。

「!?」

その氷に違和感を感じたが、葉琉は其の儘氷を男に向かって飛ばした。男は氷で地面に磔になる。
今までなら葉月の能力で地面に氷漬けにされていても可笑しくないタイミングだ。中也も異変に気付いたのだろ。下にいる太宰と葉月の方へ視線を向けている。
少し間が空き作戦通り男は躰中を氷で覆われた。
葉琉と中也は地面に降り立ち、太宰と葉月の元へ駆け寄った。

「何かあったのか?」と云う中也の問い掛けに葉月は「ごめんね、タイミング間違えたの」と苦笑していた。中也は少し腑に落ちない様子たが、次に葉琉に「葉琉は今日の氷デカかったな」と声を掛けた。葉琉の違和感は正にその指摘通りで「そうなんだよねぇ」と少し考える素振りを見せる。
太宰はその様子を黙って見つめていた。

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