第2章 ***
「け、蛍くん待って…!シャワー浴びないと…!」
ベッドに押し倒され再び唇を重ねられる。
今までHをする前は必ずシャワーを浴びていたのでひどく焦った。
「ダメ…今日はこのままシたい」
「っ…」
いつもとは違う色っぽい彼の視線に、体が金縛りに遭ったかのように動かなくなる。
さっきは触れるだけだったキスも徐々に深いものへと変わっていって…
「んっ…」
舌を絡ませながら、スカートの中へ手を入れてくる蛍くん。
焦らすように太腿を撫でられ、たったそれだけの刺激にも容易く反応してしまう。
「ねぇ陽菜ちゃん…今日は最後まで俺のペースでさせてもらってもいい?」
「…え……?」
「勿論乱暴な事や痛い事は絶対にしないから…」
「……、」
彼の言葉に私はこくりと頷いた。
今までだって彼に乱暴な事をされた覚えはない。
いつも私を気遣って気持ち良くしてくれる…
当然今日もそうしてくれるのだろうと思っていたが、それが大間違いだったと気付くのはそれから1時間後の事だった…
「蛍くんっ…、もぅ…っ…」
「ん…もう少し…」
ベッドに入って1時間…私も彼も今だに服を着たまま。
何故ならこの1時間、彼は私の唇や耳、首筋に舌を這わせるだけでそれ以上の事は何もしてこなかったからだ。
いい加減焦らされ過ぎて我慢出来ず、つい彼に先を促してしまう。
「陽菜ちゃんには引かれるかも…と思って今まで言えなかったけど……俺本当は、いつでもたっぷり時間を掛けてセックスしたいんだ…」
「…え……?」
「セックスってお互いイく事がゴールみたいに思われてるけど……俺はそうじゃない。別にイけなくても、こうやって好きな子の体をずっと舐めてるだけでもいいし、気持ち良さそうにしてくれてる顔を見てるだけでも十分満たされる…」
「……、」
「でもそれじゃあ相手がツラいと思うから、結局最後は挿入しちゃうけど…。前戯も含めて、出来る事なら半日くらいはセックスしてたいかな」
「は、半日!?」
思わず素っ頓狂な声を出してしまった。
これは所謂彼の"性癖"というものなのだろうか…?
「やっぱり引いた…?あまり昔の事は話したくないけど……前のカノジョにはそれでフラれたんだ…」
「……、」
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