第14章 月見草 ~人の心~
心の中では叫ぶ。
はやく。早く行かなきゃ!
銃声がどんどん下へ降りてきた時
下へ落ちていく人影が見えた。
焦る自分自身を抑えヘリから見えないように近くに身を潜め上を見上げる。
キュラソーの動きが止まったのを確認出来たのか銃声がしなくなった。
「なんで…どうして?」
裏切りは死を意味する…それは貴女もわかっているはずなのに。
焦る気持ちを必死に堪えて
影に隠れながら移動しキュラソーを探す。
観覧車の真下に行くにつれて壊された柱の瓦礫に上手く進めずは舌打ちした。
「あー。もう…もたついてる時間なんてないのに」
瓦礫を跨ぎながら近くにキュラソーがいないか見てまわり動く影が見えそちらに目を向けた。
「キュラソー?」
人影だと確信し早歩きでそちらに向かうと服が血塗れのキュラソーが脇腹を押さえ
ヘリのローター音が聞こえる方を見ていた。
「キュラソー!!」