第14章 月見草 ~人の心~
そのつぶやきの後一斉に停電する。
周りの人達は上を見上げて声をあげレストラン内がざわめく
「ふっスタートよ。」
2人とも双眼鏡を片手にゴンドラを見ていた。
ヘリが近くへ来ているのを見てカーディナルはハッとする。
「あれでゴンドラごと…?」
カーディナルがぼそっと言った言葉にベルモットは笑みを深くするだけだった。
それを見て息を飲んだその時引き剥がしていたゴンドラが落ちた。
ベルモットも予想していないことのようで
「ジンどういうこと?」
急いで確認するとキュラソーが逃げたと一言かえってきた。
カーディナルは冷静にゴンドラのまわりを見て
キュラソーらしき影はなく決心して少し動揺しているベルモットを横に立ち上がった。
「どこにいくの?カーディナル」
「何言ってんの?見に行くに決まってるじゃない。動けるのは私だけなんだから」
カーディナルは笑みを浮かべてひらひらと手を振った。
ジンと会話をしベルモットが止めないと言うことは許可が出たのだろう
そう感じ取った。