第11章 キョウチクトウ
米花町の一角に車を止めた。
ここまで来てそれでも会いにくい状況にため息をつく。
何を話そう。
何を伝えたいのか。そればかり自分に問いかける。
は頭を振り助手席に置いてあるバッグからスマホを取り出し電話をかけた。
『もしもし』
「もしもしです。取り急ぎだけれど…。
近々キュラソーが動くらしいの…」
電話越しに沖矢昴のハッとする息遣いが聞こえた。
『キュラソー…組織のNO.2。
ラムの腹心ですか…貴女はそれを何処で』
「ジンに呼び出されたの。
なにをするかはわからない…ごめんなさい。」
『貴女は全く…。なにかあったら言いますがくれぐれも気をつけて』
「うん。ありがとう…じゃ」
通話を終えハンドルに頭を置いた。
「やっぱり怒るよね…行こ」
車を出してポアロに向い
パーキングに車を止め店に入っていった
ドアを開けると共にするいらっしゃいませの安室の声。
いつもとは違うの服装に安室は表情を変えず接客をする。
そっと窓側の席に座りブレンドコーヒーを。と一言
「お待たせしました。ごゆっくりと」
他の客は誰も居ずは窓の外を見つめ安室は食器を片し目を合わせようともしなかった。
珈琲を1口飲み口いっぱいに苦味が広がる。
私には合わないな….
そう心の中で思い初めてここに来たことを思い出しながら
勇気出さなくちゃ。
私はしたいことを見つけたんだ
そう決心し珈琲を飲み干す。
会計を済ませは店から出ていった。
安室はコーヒーカップを下げようと席に向かうとナプキンに小さく書かれたメモを見つけ
、と声に出さず呟いて出ていった方向を見つめた。