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この恋の騙し方/安室

第11章 キョウチクトウ















ある港の倉庫の前に車を止めて外へ出ると来た道から見知った車がこちらへ向かって来るのを
横目で捉えそのまま指定されていた倉庫に入っていった。


「こんな所に呼び出してなに…?」

後ろからの2人の足音に気づいては振り向いた。

ジンとウォッカ
見慣れた2人だが会うのはものすごく久しぶりで。
早まる心臓の音を歩くヒールの音で誤魔化しジンに近づいた

「カーディナル。久しぶりだな」

「本当に。いきなりの電話どうもありがとう
で、その銃は何なの…?」


額に当てられた銃を一見しジンに視線を移し見据えた。


「単刀直入に言う。お前はNocか?」

発された言葉に眉間に皺を寄せたかと思うと
はふっと向きを変えて近くの木の箱に座った。


「………ノック…?なにそれ?」


「……ハハハ!!」

予想外の発言にジンは高笑った。

「いきなり笑わないでよ。びっくりするじゃない…
何にも知らないこと知っているくせに」


ぷいっとジンから視線を外してふぅーとため息をついた。


「NOC。
ラムからの命令だ。内部のスパイ探す。」


「スパイ…。」

「あぁ。キュラソーが動く
逃げるなよ…カーディナル」

「キュラソー、ラムの……って何よ。
私を組織に入れたのは…
ジン。貴方じゃない。」

「はっ!言うじゃねーか」

「仕事なら早めに教えてね。仕事があるから」

二人とも目の色を変えなかった。
私の意思はただ一つ。



ひと通りの必要な会話を終えはポルシェが遠のき
視界から消えたことを確認するとはぁとため息をついた。

「本当なのね…。」

私を試している……?


不意に過ぎった安室の顔に不安が襲う。
が慎重に行動しないとと抑えた。

それでも会いたいと思う。

好きになった弱みかぁ…
表情になにがあっても出さないようにしなくちゃ

矛盾する悩みをなぜか他人事のように考えながら車を出した。

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