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この恋の騙し方/安室

第8章 ハマナス





安室の返事から2人は一言も発さずに駅についた。
先程の明るさがなくなったはなにもせずに俯いていた

何か話さないと…
そう思うものの話すと全てをぶつけてしまいそうで。

唇を噛んだ。


帰らなきゃ…。
ここに居たくない、この姿で…
この人と話したくない。

その思いが脳内を支配し無意識にドアを開け出ていこうとすると

安室は咄嗟に腕を掴み引き寄せ
「きゃっ」と相手は軽く尻もちをつき安室の胸元に背を預ける体勢でとまった


「…逃げないでください」


後ろから聞いたこともない悲痛な声が体をの心を支配する

安室の温もりを背に感じ一筋の涙を零した。

「聞かないの?」

ハッと安室は抱きしめる手を少し弱めるが先程より強くを抱き締めた。

「貴女が決めたことを僕がなにか言えるとは思いません…」

耳元で話す声が遠くなると同時に抱き締めていた腕が離れ
は寂しくなり振り向いた。

「ただ…それでも…」

安室は素早い手付きでネクタイをとり第1ボタンを外した
降谷零として強めに言葉を伝える

「貴女を愛しています」

安室は少し悲しそうに微笑んだ。


シャツの袖を掴もうとするとそっと拒否され
「…………っ。」

声にならない声をあげた。

「カーディナル、ではまた…任務で」

安室は目の色を変え言った一言には今の立場を再度自覚し感情を抑えた声で「えぇ」と一言

なにかを言いかけるがやめ車から出て駅内に消えていった。

後ろを振り返らずに…。



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