第5章 コルチカム
入った時
安室は肩を持ち腕から血が滴っていた。
「降谷さん!!」
気絶している犯人を横目で見て安室の方へ向かった。
「安室さん!」
安室の横でが悲鳴のような声で名を呼ぶ。
「掠っただけだ。風見、後は任せました。」
鋭い目付きで見られ他人のふりをしろ、との命令に従って犯人に手錠をかけ始めた。
は安室に手を貸し店舗外に出て救急車の中でテキパキと安室の治療を始めた。
幸い傷は深く無く本当に掠っただけの状態で消毒治療し包帯を巻いた。
「ありがとうございます」
緊張が解れ安室は笑った。
「びっくりしたんですよ。反省してください」
半泣き状態では頬を膨らまし上半身裸の安室の胸元に手を置き心臓の音を確認するように撫でた。
各自事情聴取が終わる頃にはもう日を跨ぐ時間だった。
「終わりましたね…」
事情聴取の相手は風見で二人とも気楽に話し安室はいろいろ報告し全て風見に任せた。
車に乗り込みは安室の肩を心配そうに見つめているのを横目で確認しぽんぽんと頭を叩いた。
「大丈夫ですよ。あ、誕生日おめでとうございます」
日付が変わる前にと場所を変わらず伝えた
「……。ダメですよ、こんな所で」
悲しそうにそっと安室を抱きしめ「でも…ありがとうございます。」と付け足した。