第4章 スイートピー
「安室さん、お待たせ!」
なにも知らずドリンクを両手に持って帰ってきたは片方を差し出す。
「ありがとうございます。大分暗くなってきましたね…」
オレンジ色の空がどんどん黒に染まってゆく
「ねぇ…安室さん。私…」
不意にの声が曇る。
言葉を遮るように安室が
「観覧車乗りませんか?」
と手をひいた。
手を引かれとぼとぼと安室についていった。
二人とも無言だった
「こんばんは!では観覧車の旅いってらっしゃーい」
二人無言のまま乗り込み座り
隣通し肩に肩へと相手の温もりが伝わった
無意識に一筋涙がぽとりと流れ落ちたさえ気づかないほどの無意識を安室はしっかり見ていて
頬に手を添え親指で涙をぬぐう
「え?あ…私。」
「泣かせてしまってますね…。泣かせないと誓ったのに」
安室は寂しそうに笑う。
それを見て瞳から涙がどんどん溢れた。
「違う。違うの…。
あの夜からこれは夢なんじゃないかって。きえそうで怖くて……」
不安は消えない。
なぜかわからないけれど心の隅に根付く恐怖。
全て言葉に出し尽くした。
「。僕を探さない方が良かったと後悔はしてますか?」
ハッとして首を横にぶんぶんと振った
と同時に勢いよく安室がを抱きしめ口付けをする。
一瞬のことではついていけずに止まった。
1度口を離しまた触れるだけのキスを繰り返す。
…と囁かれる言葉が現実味を帯び頬を染め離れた。
「あ…むろさ…ん…」
「……貴女を愛しています」
笑みを浮かべて手を引きまた抱きしめた。
2人の体温が混じり合う
きつく結びつく愛
話さなくても離れてもこの愛はほどけない…