第17章 スパティフィラム
「はぁ…」
ペンをくるくる回しながらぼーっとPCモニターに映る患者のカルテを見ていると
「先生。またため息ですよー!」
近くで備品の整理をしているナースに笑顔で指摘されまたため息が出そうなのを喉元で止める。
「彼氏さんと喧嘩ですね」
いつの間にか備品整理を終えたナースが真横で確信の声が耳に入
内心ビクッとしながら
そっとペンをおろして視線をナースに苦笑いを向け口を開いた
「そんなところ
と言うよりちょっとある事で気まづくなって…
大切なのはかわりないけれどね」
素直に本音を伝えると何か考えたようにナースからさらりと言葉が漏れる
「そう言う時って結構お互いのこと思っているのに違うこと考えてたりするんですよねぇ。」
不意に出された思ってもいなかったナースの話に自然と首が上下に動いていてなるほど…と心にすっと入っていく
「まあなにかわからないので勝手なこと言えないのですが」
開き直ったように笑うナース。
それでもにとってかけがえない言葉だと
人の意見ほど響くものはない…。とそう思い仕事モードに切り替えて次の患者のカルテを出した。
「さて午後もよろしく」
「もちろんです」
お互い笑い合いの心が楽になるのを感じた。
彼も同じだといいな…