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A3! 短編集

第1章 ◎ 飲みすぎ禁物。 【摂津万里】


side,banri


電子レンジの前で舞う監督ちゃんはまるで草原を駆け回る野うさぎのようだった。


にしても深夜3時。
こんな時間に食ったら太るんだろうけどまぁいいか。よろこんでるし。


ピー、ピー、と電子レンジが鳴り、監督ちゃんは寝ていたソファの前のテーブルにカレーうどんと箸を置いた。


『いただきまぁす』


ヘラヘラとしながら手を合わせて食べ始める監督ちゃん。


「ジャケット脱げよ
カレーとぶかもしれない」


『あ〜そっかぁ〜』


監督ちゃんは箸を起き、ジャケットを脱ぎ捨てまたカレーうどんを食べ始めた。


『おいし〜』


ほっぺを手で抑えながらそう言う監督ちゃん。


「ジャケット、シワになんぞ」


『もう着ないからいい〜』


「ったく、・・・」


脱ぎ捨てられたジャケットを椅子の背もたれに掛け、監督ちゃんの前のソファに座り、目を瞑る。

数秒後、可愛げのない叫び声が聞こえてきた。


『ばんりく〜ん・・・こぼしちゃった』


「ん、・・・自分で拭けよ
そんくらいできんだろ」


『できないぃぃ・・・』


泣きべそでそう言う監督ちゃん。あ、そっか。監督ちゃん酔ってるんだっけ。少ししか寝てないのに忘れてた。


椅子から立ち上がり、監督ちゃんの元へ行く。真っ白な洋服にカレーのシミが付いていた。


「早く脱いで洗わねーとそのシミ取れねーぞ」


白い服だし早く洗わないと本当に取れそうにない。
んー、けど洗濯機の使い方知らねぇし・・・。


『んー』


監督ちゃんはボタンを外し始める。


「お、おい!
なんで脱ぐんだよ!!」


『ばんりくんが脱げっていったんじゃん〜』


や、やばい。
監督ちゃんが上半身下着だけで飯食ってる。
もしこんなところ左京さんが見たら・・・


「摂津てめぇ、監督にまで手ぇ出して何してやがる!!」


ってなるよな、絶対。
よし、とりあえず服着せよう。


「ちょ、待ってて監督ちゃん
部屋着持ってくるから」


監督ちゃんの部屋に行き、部屋着を探しているとゴソゴソ、とベッドの方から音がした。


「・・・かんとく・・・すき」


「げ・・・。真澄のやつこんなところで寝てやがる。」


こっそり部屋着を持ち、談話室へ戻った。



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